読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ただ眠いんだ

When I'm in the middle of a dream...

炎上の解剖「お金の奴隷解放宣言」編

炎上

ちょっとぼや騒ぎになっている話に首を突っ込んでみようと思う。

「キングコング」というお笑いコンビの西野亮廣という人が、絵本作家として『えんとつ町のプペル』という絵本を発表したのは3ヶ月前のこと。
この説明だとまるで西野亮廣が1人で絵本を作成したみたいだけど、実際はクラウドファンディングを使って制作費を集めて、チームで絵本を作る…ということで制作されたのが『えんとつ町のプペル』という絵本らしい。本人の役割としては「監督・脚本・絵コンテ」なのだそうだ*1

さて、その「西野亮廣」が、『えんとつ町のプペル』を無料公開したのだそうだ。

lineblog.me

それを表明したのがこの『お金の奴隷解放宣言。』という記事である。
内容を要約すると「小学生に値段が高いと言われたから、『お金』に縛られることなく、『恩』で世界が繋がるために無料で公開します」というようなもの。これがぼや騒ぎを起こしているのだ。

実はこれってパソコン関連の話ではよくある「フリーミアム」というもので、「基本無料、さらに便利に使いたければ課金」というビジネスモデルと同じである。わかりやすいもので言えばスマホの「無料で遊べます」系のゲームはこれだし、以前からフリーソフト界隈ではよくある話で、すでにそこそこ世の中に浸透しているモデルだと思う。

じゃあ、なぜこれが批判を浴びているのかと言えば、有り体に言えば「言葉の選び方」の問題だ。徹底的に炎上するための言葉の選び方をしている・してしまっていると言える。というわけで、今回の炎上を解剖・観察してみたいと思う。

スポンサーリンク

 


この前の記事で「炎上の要件」というのを2つ挙げた。

  • 相手の上に立ち、見下すこと(=マウンティング)
  • 主語を大きくすること

このふたつである。

炎上商法をするには必須であると思われるこの2点を軸に文章を読んでみた。

そしてその結果、彼は別の記事で炎上芸人を自称しているのだけど、その称号は伊達じゃないと思えてきたのである。

炎上するための言葉の選び方をしている

この人の文章を読んでいると、「炎上するために書いているのかな?」と思うように思えてくる。

例えば、文章の頭からこれだ。

『えんとつ町のプペル』という作品が23万部突破というマグレ当たり

たくさんのスタッフを集めて「あの映画はマグレ当たり」という映画監督、「今シーズンの優勝はマグレ」という野球の監督…なかなかいないと思う。「まぐれ」というのは「偶然によるよい結果」というような意味である。
これってたしか「チームで絵本を作る」って話だったよね。それを言うに事欠いて「マグレ当たり」とはね。

こういう「クリエイターへの配慮のなさ」が燃料となるのだ。

相手の上に立ち、見下す

その後しばらくフリーミアム的なことについてのお話が続いていくのだけど、いきなりでこんな文が現れる。

お金の奴隷解放宣言です

炎上のお作法その1、「相手の上に立ち、見下す」だ。ただフリーミアムのお話をしていただけなのに、「お金の奴隷」という言葉を持ち出すことによって「こんなことにも気がつけない・実践できない人は『お金の奴隷』だ」と宣言している。
なんらかの見下しがなければ「奴隷」というワードチョイスにはならないはずだ。

後々から「『全て無償にしろ』とは思わない。お金を稼ぐことが悪いことだとは思わない」という事も書かれている。これはかなり上級テクニックだ。なんとなく読んでいると「お金をもらっているクリエイターへのフォロー」に見えるけど、「まあ、そういうのもしょうがないよね(俺は違うけど)」というメッセージを発している。フォローがフォローになっていない。
さすが自称・炎上芸人。

主語を大きくする

そして、炎上のお作法その2、「主語を大きく」だ。それまで自分の本の話をしていたのだけど、突然

僕らの時代は、そっちに向かった方が面白いと思うよ(*^^*)

と言い出すのだ。いきなり時代の話になっちゃった。
言っていることとしては「これからこういう考え方が広がったら嬉しく思う」とあまり変わらないはずなのに、「時代」を持ち出すことによって「これがわからない人は時代遅れ」みたいな意味付けがされる。主語が大きくなると共にマウンティングも同時にこなしている。
さすが自称・炎上芸人。

上手なのか下手なのか

整理しよう、この文章は「フリーミアム」という考え方・ビジネスモデルを「見下し」と「大きな主語」によって装飾した文章なのである。
新しいアイディアではないけれど、完全に周囲を見下しているような文章を書くことによって炎上を呼び、最終的に話題になる。炎上商法のお手本といっても差し支えないのでは?

この人の言葉の選び方が下手なのか上手なのか、僕にはちょっと判断しかねる。わざと炎上させているのであればかなりの文才があるのだと思う。なぜか炎上してしまうならネットに文章を載せない方がいいタイプの人だと思う。
とりあえず、あまり周りにいて欲しいタイプではないことだけでは確かだけど。

 

この記事で使用したイラストは「いらすとや」さんからお借りしました
いらすとやロゴ