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ただ眠いんだ

When I'm in the middle of a dream...

お客様と呼ばないで


新生活が始まるということで、住民票を発行する必要に迫られて市役所に行ってきた。
ごく普通の住民票であれば近所の公民館だったり役所の出張所で発行できるのだけど、マイナンバー入りのものと入っていないものの両方が必要だったので、わざわざ市役所まで出向くこととなったのだ。マイナンバーで手続きが簡略化されるどころか大変になっている。おかしいなあ。

住民票発行の申請書を書いていたのだけど、書き方がよくわからない。というか、そもそもマイナンバーに関する選択肢がない。まあね、少し前に始まった制度だからね。そういうこともあるよ。
仕方なく職員さんに尋ねてみたのだけど、なんだか様子がおかしいのである。

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「すみません、マイナンバー入りの住民票が必要なのですが、どうやって記入したらいいでしょうか」
「ああ、お客様、マイナンバー入りの住民票が必要なのね。じゃあ、こことここにこうやって書いて。それで窓口に出してくれたらいいから」

…なんだろう。この違和感は。「お客様」という言葉って、こんなにフランクな話し方の中に紛れ込んでいいのだろうか。近所のおじさんになにかを尋ねたときと同じ口調の説明の中に、唐突に入ってくる「お客様」という言葉は違和感の塊だ。

言っておくが僕は「お客様」と呼ばれたいのではない。様付けなんて別にされたくもない。むしろ年齢差も考えたら、おじさんからの接し方なんてある程度フランクでいい。

おじさんに教わったとおりに記入して、窓口に提出。順番待ちの間も他の人のやり取りを聞いていると「お客様」とフランクな話し方が入り交じっている。

いつだったか、役所の職員の言葉遣いが悪いというツイートを見かけたことがある。たしかにフランクに話しかけられたらムッとする人もいるだろう。「お客様は神様」を自分から振りかざす人は多い。そういう相手に対する予防線として、丁寧な言葉遣いをして損はないと思う。
たぶん、そういう諸々の意見が寄せられたり、ネチネチと嫌みなことを言ってくる人とかがいて、市役所職員が市民とやり取りする際の話し方がフランクから相手をお客様と呼ぶ接客的な話し方へと変わっていく過渡期にあるのだと思う。
たぶん、おじさんは入所してから何十年間フランクで、ここ数年で丁寧な言葉遣いをせざるを得なくなったのだろう。定年間近にご苦労様なことだと思う。
そしてその過渡期の不思議な言葉遣いが、なんだかおもしろいのだ。

住民票は無事に発行された。
おそらくほぼ同い年くらいの職員さんから「これでいいですかね、お客様」というこれまた不思議な言葉遣いをしてもらいながら、この過渡期はいつまで続くのだろうとぼんやりと思った。がんばれ市役所職員。